イタリアでの10日間

今年の夏は、地震や豪雨に翻弄され台風21号でも身の危険を感じられた方が多かったのではないでしょうか。
大きな被害が出ている地域もありましたので、お困りになられている方が沢山居られるものと思います。
自然に対する緊張状態はしばらく続くのでしょうが、一刻も早い復旧を願うばかりです。
さて、今日ご紹介する話題も前回に引き続き、一年近く前の出来事です。
昨年の10月、イタリアにて初めて国外での舞台を経験させて頂きました。
約10日間をかけボローニャ・ローマ・ヴェネツィアを周り、山村流の舞を紹介するという交流事業の一環です。
その時の様子をご報告させて頂きます。
ボローニャ ラ・ソッフィッタ劇場
最初にお伺いしたボローニャはイタリア北部の都市。
関西空港から乗り継ぎを含めて17時間ほどでボローニャ空港に到着しました。
到着日の夕方に少し時間がありましたので、市街を案内していただきました。
中世から変わらない景色を残す街並みは、先人に対する尊敬と感謝の現れのように感じます。

ポルティコと呼ばれるアーケードが街中にありました。

旅のメンバーと

最初の公演は、ヨーロッパ最古の大学であるボローニャ大学で行いました。
舞台芸術コースが所有するラ・ソッフィッタ劇場。
下合わせの様子。

大学のホームページからお借りした写真で申し訳ありませんが、真っ赤な壁が印象的な劇場でした。

当日の朝、劇場に到着してから夕方の開演まで準備の時間はあっという間。
僕が日本から持って行った変圧器が故障してしまい、停電騒ぎを起こすなどハプニングもありましたが、公演は滞りなく終了。
心配だったお客様も沢山お越し頂けました。
不慣れな私たちに対し、常に気を使ってくださったボローニャ大学職員の皆様に心から御礼を申し上げます。
素晴らしい街で、素敵な方々に会えた2日間でした。
ローマ 日本文化会館
ボローニャでの舞台の翌朝、新幹線でローマに移動。
到着してすぐに現地担当者の方と合流し、会場である日本文化会館へお伺いしました。
施設全体は寝殿造りの特徴を多く取り入れ、素晴らしい日本庭園も有する建築です。
ローマでは、ほとんど写真を撮らずに過ごしてしまいましたので、こちらもホームページからお借りした写真です。

会館へのご挨拶のあと、つかの間の市街散策。

散策に出かけたメンバーを見送り、僕はホテル近くのスーパーマーケットへ。
ブドウひと房を購入し、身体を休めるためホテルで留守番することにいたしました。


舞台当日。
舞台には屏風もあり、控室にも障子が張られていますので、窓を開けなければ日本に居るように錯覚してしまいます。


2回目という事もあり、準備にも多少の余裕が感じられました。
公演自体も無事に終了。
多くのお客様がお見えになり、日本文化に対する関心の高さを知ることが出来ました。
日本文化会館の皆様からの温かいご支援に、心から感謝申し上げます。
ヴェネツィア ゴルドーニ劇場
公演と移動を繰り返し、あっと言う間に前半が終了。
翌朝、新幹線で約4時間。北部の都市ヴェネツィアに到着しました。

街の中では、車やバイク、自転車も乗り入れが禁止です。
移動はボートと徒歩。
時間はゆっくりと流れます。
ヴェネツィア大学を訪問。

水に浮かぶ街並み。

ワークショップやデモンストレーションも行い、学生さんや舞台関係者の方々と楽しいひと時を過ごしました。


会場のゴルドーニ劇場。
自分の写真がポスターになっていたことがすごく嬉しかったです。

最後の公演となる当日の朝。
僕はゴルドーニ劇場の楽屋を見知らぬ人に案内してもらう夢を見ました。
僕は彼から名前を告げられ夢から目覚めましたが、その男性が2,000年も昔にイタリアに実在した人物だと後に分かりました。

最後の公演も客席はお客様で埋め尽くされ、無事にすべての公演を終了することが出来ました。
10日間の交流事業もこの日で最後。
イタリアの豊かな歴史と文化に触れ、しなやかで温かい心を持った方々に沢山お会いすることが出来ました。
ヴェネツィア大学の皆さまと

企画頂き有難うございました。
準備も大変でした。真夏の大阪を2人で駆け回ったことが懐かしく思い出されます。
ヴェネツィア大学ルペルティ教授と

ご協力頂いた方々との素晴らしいご縁に心から感謝いたします。
イタリアでお逢いした皆様、いつまでもお元気で。
またお目にかかれますように。


主催 ヴェネツィア大学 国際交流基金 チーニ文化財団
